高校生に「知らなかったからできたこと」を伝えてきました ― 社会人講師やってみた2日間の話

「うちの子に、いろんな大人の話を聞かせたい」そう思ったことはありませんか。
わたし個人の気持ちとしては、知っていることからしか選べないことが多いと思っているので、未知の何かに触れることをどんどん子どもたちにはして欲しいという考えです。

学校の授業やキャリア教育って、大事なのはわかっていても、なんとなく「立派な人」「成功した人」の話を聞く印象がありませんか。もちろんそれも大切ですが、実際に高校生と向き合ってみて感じたのは、彼女たちが本当に欲しかったのは「成功談」じゃなくて、「同じくらい不安だった人の、その先の話」だったということです。

先日、安城学園高等学校で、2年生の女子生徒たちに向けて授業をさせていただきました。この記事では、当日どんな話をしたのか、生徒たちがどう反応したのか、そして「うちの学校でも」「うちの地域でも」と思ってくださった保護者の方・学校関係者の方・行政の方に向けて、外部講師への依頼はハードルが高くないということをお伝えしていきます。

そもそも、なぜ私が高校で授業をすることに?

きっかけはNPO団体さんからの一本の連絡

私は今メインで何やってるの?と聞かれたら?です。今は美容の仕事、子どもたちが幸せに生きることをテーマにした活動や、地域の企業と親子をつなぐ共創プロジェクト(これは一歩踏み出したばっかり)など、いくつかの取り組みを個人事業として行なっています。

そんな中、あるNPO法人の方からご連絡をいただきました。「地域で活動している社会人の方に、生徒たちのキャリアの参考になる話をしてほしい」という依頼です。正直、最初は「私でいいんだろうか」という気持ちが強くありました。何か成し遂げたわけでもなければ、教育の専門家でもない。普通の主婦が色々な活動を始めた一人だからです。

「起業家の話」より「知らなかったからできた話」を選んだ理由

でも、担当の方と話しているうちに気づいたんです。生徒たちが会いたいのは、遠い世界の成功者じゃなくて、「自分たちと地続きにいる大人」なんじゃないかと。

だから今回の軸は、あえて「起業ストーリー」ではなく「知らなかったからできた」にしました。知っていたら怖くてやらなかったこと、知らなかったから飛び込めたこと。そういう、格好悪いくらいリアルな部分を見せることにしました。

当日、教室で何を話したのか

テーマは「無知だったから、できた。」— 完璧じゃなくていい、という前提

授業の軸に置いたのは、「準備が整ってから動く」のではなく「動きながらなんとかしていく」という考え方です。美容師からキャリアを広げていく過程で、失敗も遠回りもたくさんありました。むしろそればっかり。それを隠さずに話すことで、生徒たちに「大人も正解しっていて、正しい道を動いてるわけじゃない」ということを感じてもらいたかったんです。

32枚のスライドと”人生のグラフ”

授業では32枚のスライドを用意しました。団体さんの授業作りの一つの柱として用意された「人生のグラフ」というワークをしました。横軸に年齢、縦軸に気持ちの浮き沈みを取って、自分の人生を折れ線グラフにしてみるというシンプルなものです。

まず私スライドを聞きながら、「ここでどん底だった」「ここで知らなかったから飛び込めた」というポイントを書き込んでくれました。そのあと生徒のみなさんと質疑応答の時間がたっぷりと。数字や正解のあるワークじゃないからこそ、みんな真剣にペンを動かしていたのが印象的でした。

女子生徒たちに特に伝えたかったこと

今回は2年生の女子生徒たちが対象でした。進路選択が現実味を帯びてくる時期で、「安定した道を選ぶべきか」「やりたいことがわからない」という揺れを抱えている子が多い学年です。

だからこそ、「選択肢は一つに絞らなくていい」「今わからなくても大丈夫」というメッセージを、自分のキャリアの寄り道を例にしながら伝えました。

授業でいちばん「刺さった」瞬間

生徒たちのリアルな反応

授業の後、みんなが描いてくれた人生グラフを共有していただいています。「大人でも失敗したり、怖いって思っていると聞いて安心した」「(自分が嫌だと思っていることに対して)自分と同じことを思っている大人がいることがすごく嬉しかった」——そんな言葉をもらえたとき、今回テーマを起業のキラキラした話にしなくて本当によかったと思いました。

正解を教える授業ではなく、「自分の気持ちをもっと肯定していい」と気づいてもらう時間になったのだとしたら、それがこの授業の一番の価値だったと感じています。

先生方・NPO担当者からのフィードバック

先生方からも、「生徒が積極的に質問していた。」「僕も知らないといけない、男の子たちも聞いて欲しい」という声をいただきました。NPOの担当の方からも、「先生もとても興味を持って聞いてくださっていたのが印象的」「その活動を始められた行動力や勇気にもとても感銘を受けました」とお話しいただきました。

保護者・学校関係者の方に伝えたいこと

「特別な人の話」じゃなくていいことも

キャリア教育というと、著名な経営者や専門家を呼ぶものだと思われがちです。でも実際に生徒たちの反応を見ていると「自分と同じだったり、少し先を歩いている自分と重ねられる部分がある大人」の話に心が動くこともあるんだと感じました。近い距離感だからこそ、「自分にもできるかもしれない」という感覚が生まれるんだと思います。目的はなにか、そこに着地する方法はなにかによっては私でいいんだと思うことができました。

なぜ今、この手の授業が必要なのか

情報があふれている時代背景や、忙し学校生活、「失敗できない」「正解を選ばなきゃ」と感じている子どもたちが増えているように感じます。だからこそ、遠回りしてきた失敗を語る大人のリアルな話が、かえって安心材料になる。そんな場面を何度も見てきました。

学校・行政の方へ

こうした授業は、キャリア教育の一環としてはもちろん、男女共同参画や地域連携の文脈でも取り入れていただける内容だと知ることができました。テーマや対象学年に合わせて、内容は柔軟に調整できます。

「うちの学校でも」と思ったら

まずは気軽にメッセージでOK

「うちの子にも聞かせたい」「うちの学校でも実施できないか」と少しでも思う人がいたら、まずは気軽に連絡していいとと思います。企画書がなくても、日程が固まっていなくても大丈夫です。「こんな感じで相談したいんだけど」くらいの温度感で全く問題ありません。一緒に作っていくこともできるし、私もですが登壇などしている場合はその都度作ったネタ資料があります。今までに発表した内容から相談に乗れることがあると思います。

対応可能なテーマ・対象年齢の目安

例えば私に何ができるだろうと考えてみました

  • キャリア教育・進路学習(小学生〜高校生)
  • 女性のキャリア・ライフイベントとの向き合い方
  • 思春期の心と体、親子のコミュニケーション(幼児〜大人)
  • 地域連携・男女共同参画関連のイベントなど

問い合わせ〜実施までの流

今回はこのような流れでした。一例としてあげてみます。

  1. メールでお問い合わせいただき、電話で内容確認
  2. 対面で、対象学年・目的のすり合わせを行う
  3. テーマ・時間・スライド内容のご提案
  4. 当日実施、その後のフィードバック共有

最初の一歩は、気軽なメールから始まりました。

まとめ

高校生たちに伝えたかったのは、成功のノウハウではなく、「知らなかったから飛び込めることもある」というリアルな道のりでした。人生のグラフを一緒に描きながら、行き当たりばったり、失敗しまくり、それでもやっていたら何かが起こる。やらなかったらそのまま。生徒たちが「失敗=後悔、やらないほうがいい」ではないとを感じてくれたことが、今回いちばんの収穫だったと思います。

もし「うちの子にもこんな話を聞かせたい」「うちの学校・地域でもこういう機会を作りたい」と少しでも感じていただけたなら、ぜひ一度わたしとお話ししてみませんか。まずは気軽にメッセージから、お待ちしています。